本文へ移動
記事を読み込み中…
用語辞典

メニューエンジニアリングとは

定義

メニューエンジニアリングとは、各メニューを「人気度(売れ行き)」と「利益貢献度(限界利益)」の2軸で分析し、品揃えや価格、見せ方を見直して収益を最大化する手法です。1982年に米ミシガン州立大学のマイケル・カサヴァナとドナルド・スミスが提唱した分析モデルが基礎となっています。

詳細解説

メニューエンジニアリングは、原価率だけを見る従来の管理を補い、原価率と販売数量の両面から各品目を評価します。中心となる指標は限界利益(コントリビューションマージン)で、販売価格から食材原価を引いた1品あたりの粗利を指します。

カサヴァナとスミスのモデルでは、各品目を限界利益の高低と、メニューミックス(販売構成比)の高低という2軸で4つの象限に分類します。これにより、利益率は高いが売れていない品、よく売れるが利益の薄い品などを区別し、それぞれに合った打ち手を導きます。

業界での使われ方

飲食店では、一定期間のPOSデータを使って各メニューの限界利益と販売数を集計し、4分類に当てはめます。分析結果は、メニュー表のレイアウト変更、価格改定、原価の見直し、不採算品の入れ替えなどに活用されます。看板商品を目立つ位置に置く、利益の高い品をおすすめとして案内する、といった日々の運用にも結び付きます。

計算式・分類

主な計算式は次のとおりです。

  • 限界利益 = 販売価格 − 食材原価
  • メニューミックス(%)= 当該品の販売数 ÷ 全品の総販売数 × 100
  • 人気度の基準 =(1 ÷ 品目数)× 0.7

人気度の基準に0.7を掛けるのは、注文が均等に分散しない実態を考慮するためです。各品を平均限界利益と人気度基準で区切り、次の4つに分類します。

  • スター(Star):利益も人気も高い。看板商品として維持し品質を守る。
  • プラウホース(Plowhorse):人気は高いが利益が低い。原価や提供方法を見直す。
  • パズル(Puzzle):利益は高いが人気が低い。説明や配置を工夫し露出を高める。
  • ドッグ(Dog):利益も人気も低い。戦略的な意味がなければ廃止を検討する。

業態別の差異

回転率の高い業態では販売構成比の変動が大きく、分析の期間設定が結果を左右します。コース中心の業態では、単品ではなくコース全体の限界利益で評価する方が実態に合います。

よくある誤解

原価率の低いメニューほど優れている、という理解は誤りです。原価率が高くても販売数が多ければ、限界利益の総額は大きくなります。メニューエンジニアリングは率ではなく利益の額と量の両面を見る点に特徴があります。また、ドッグをすべて削除すべきとも限らず、品揃えの幅や来店動機を担う品は別途評価が必要です。

関連用語


📚 関連する用語辞典

📖 この用語を扱った記事

参考・引用元

  • Florida International University, Hospitality Review「Menu Analysis: A Review of Techniques and Approaches」
  • meez「Menu Engineering Matrix」
  • AHLEI「The Power of Menu Engineering」