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用語辞典

人件費率とは

定義

人件費率とは、売上高に占める人件費の割合を示す指標です。飲食店では「人件費 ÷ 売上高 × 100」で算出され、単位は百分率(%)で表されます。原価率と並び、飲食店の収益構造を把握するうえで中心となる経営指標の一つです。

詳細解説

人件費率の分子となる人件費には、正社員やアルバイトの給与のほか、賞与、各種手当、社会保険料の事業主負担分、まかない費などが含まれます。役員報酬を含めるかどうかは集計の目的によって異なるため、比較の際は範囲をそろえることが重要です。

飲食業は労働集約型の産業であり、人件費は原価(食材費)と並ぶ二大コストです。この二つを合わせて管理する考え方が、後述するFLコストです。人手不足や最低賃金の上昇を背景に人件費は上昇傾向にあり、シフト管理や生産性の向上を通じた人件費率のコントロールが経営上の課題となっています。

業界での使われ方

飲食業の人件費率は、一般に売上の20〜30%程度が目安とされます。原価(フード)と人件費(レイバー)を合わせたFL比率を売上の55〜60%以内に収めることが健全経営の基準とされ、その内訳として「フード35%+レイバー25%」程度が一つのモデルとして語られます。

人件費率は、店舗の生産性を測る人時生産性と併せて分析されることが多い指標です。単に率を下げるのではなく、限られた人員で生み出す付加価値を高める観点が重視されています。

計算式・分類

基本的な計算式は次のとおりです。

  • 人件費率(%)= 人件費 ÷ 売上高 × 100

人件費には固定的な性格を持つ正社員給与と、稼働に応じて変動するアルバイト給与が含まれます。損益分岐点の分析では、前者を固定費、後者を変動費として区分する考え方もあります。

業態別の差異

人件費率は業態により差があります。一般にセルフサービス中心や調理工程の少ない業態は低く抑えやすく、テーブルサービスや手間のかかる調理を伴う業態は高くなる傾向があるとされます。客単価の高い業態ほどサービス人員を厚くしても率を抑えやすい一方、低単価・少人数運営の店舗では一人あたりの負担が大きくなる点に注意が必要です。

よくある誤解

人件費率は低いほど経営が良いと捉えられがちですが、過度な削減はサービス品質の低下や従業員の離職につながる可能性があります。また、人件費率は売上の増減によっても変動するため、率の改善が必ずしも人員削減を意味するわけではありません。売上を伸ばすことで結果的に率が下がる場合もあります。重要なのは率の水準だけでなく、生産性とのバランスです。

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参考・引用元

  • 日本政策金融公庫『小企業の経営指標調査』
  • マネーフォワード クラウド(飲食店の人件費率の解説)
  • 花王プロフェッショナル ご贔屓ナビ(FL比率の解説)