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松竹梅価格設定とは
定義
松竹梅価格設定とは、同種の商品やサービスに「松・竹・梅」のような3段階の価格帯を用意し、消費者が中間の選択肢を選びやすくする価格戦略です。行動経済学でいう極端回避性(妥協効果)を応用した手法で、松竹梅の法則とも呼ばれます。
詳細解説
極端回避性とは、複数の選択肢が示されたとき、最も高い選択肢と最も安い選択肢という極端を避け、中間に落ち着きやすい人間の傾向を指します。欧米ではゴルディロックス効果とも呼ばれます。
この傾向は、1992年にイタマール・サイモンソンとエイモス・トベルスキーが発表した論文「Choice in Context」で、妥協効果として実証的に示されました。同論文は、ある選択肢が選択集合の中間に位置すると魅力が高まり、両端にあると魅力が下がると説明しています。
選択肢が高い・安いの2つだけだと、消費者は判断の基準を持ちにくく、安い方に流れがちです。そこに3段階目を加えると、中間が「無難で妥当」に見え、選ばれやすくなります。
業界での使われ方
飲食店では、コース料理や飲み放題プラン、弁当などで松竹梅の3段階を設けるのが典型です。利益貢献の大きい商品を中間に配置すると、客単価の底上げにつながります。コースだけでなく、ボトルワインやステーキのグラム数など、幅広い場面で応用されます。
計算式・分類
明確な計算式はありませんが、価格差の設計が結果を左右します。実務では、最も高い松と中間の竹の価格差を比較的大きくとると、竹が割安に見え選ばれやすくなる、という考え方が用いられます。3段階の販売構成比は、中間が最も高くなる傾向があります。
業態別の差異
宴会需要の大きい業態では、幹事が無難な中間コースを選びやすく、効果が出やすいといえます。単品中心の業態でも、サイズや量で3段階を設ければ同様の効果が期待できます。
よくある誤解
3つ並べれば必ず中間が売れる、という単純な理解は誤りです。価格差が極端だったり、品質の違いが伝わらなかったりすると、機能しません。また、最も売りたい商品を必ず中間に置くべきとも限らず、利益や原価を踏まえた設計が前提となります。意図的に選ばせない目的の高額品を置く、おとり効果との混同にも注意が必要です。
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参考・引用元
- Simonson, I. & Tversky, A. (1992)「Choice in Context: Tradeoff Contrast and Extremeness Aversion」Journal of Marketing Research
- 一創「松竹梅の法則とは何か」
- マーケティング心理学の教科書「松竹梅の法則(極端の回避性)」