本文へ移動
記事を読み込み中…
用語辞典

損益分岐点とは

定義

損益分岐点とは、売上高と費用が等しくなり、利益がちょうどゼロになる売上高のことです。英語では Break-Even Point(BEP)と呼ばれます。この売上高を上回れば黒字、下回れば赤字となるため、店舗が赤字を回避するために必要な最低限の売上水準を示す指標として用いられます。

詳細解説

損益分岐点の分析では、費用を「固定費」と「変動費」の二つに分けて考えます。固定費は売上の増減にかかわらず一定額が発生する費用で、家賃、正社員の給与、リース料、水道光熱費の基本料金などが該当します。変動費は売上に比例して増減する費用で、飲食店では食材費(原価)やアルバイトの給与、消耗品費などが代表例です。

この区分により、売上から変動費を差し引いた「限界利益」がどれだけ固定費を回収できるかを把握できます。限界利益が固定費とちょうど等しくなる売上高が、損益分岐点売上高です。固定費の負担が重い店舗ほど損益分岐点は高くなります。

業界での使われ方

飲食店では、開業計画や月次の収益管理で損益分岐点が活用されます。必要な売上を、客単価と客数に分解することで、1日あたりに何人の集客が必要かといった具体的な目標に落とし込めます。

また、実際の売上に対する損益分岐点の位置を示す「損益分岐点比率」も用いられます。比率が低いほど売上が落ちても黒字を保ちやすく、経営の安全性が高いとされます。原価率や人件費率の上昇は変動費・固定費を通じて損益分岐点を押し上げるため、FL比率の管理とも密接に関係します。

計算式・分類

代表的な計算式は次のとおりです。

  • 変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
  • 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 - 変動費率)
  • 損益分岐点比率(%)= 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100

例えば固定費210万円、変動費率が30%の店舗では、損益分岐点売上高は210万円 ÷(1-0.3)=300万円となります。実際の売上が350万円であれば、損益分岐点比率は約86%です。

よくある誤解

損益分岐点を下げる手段は経費削減だけではありません。客単価の引き上げや変動費率の改善によっても損益分岐点は下がります。また、人件費は正社員給与のような固定費部分とアルバイト給与のような変動費部分が混在するため、すべてを固定費または変動費と一括りにすると分析を誤る場合があります。費用区分は店舗の実態に合わせて行うことが重要です。

関連用語


📚 関連する用語辞典

📖 この用語を扱った記事

参考・引用元

  • 中小企業庁(経営分析関連資料)
  • マネーフォワード クラウド(飲食店の損益分岐点の解説)
  • POS+(ポスタス)(損益分岐点の計算方法)
  • キャッシャー(固定費・変動費の解説)