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用語辞典

ABC分析とは

定義

ABC分析とは、売上高や数量などの指標を基準に、管理対象を重要度の高い順にA・B・Cの3つのグループへ分類し、管理の優先順位を決める手法です。重点分析とも呼ばれます。限られた経営資源を、成果への影響が大きい対象へ集中させる目的で用いられます。

詳細解説

ABC分析は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが見いだしたパレートの法則を、在庫・品目管理に応用した手法です。手法としてのABC分析は、1951年にゼネラル・エレクトリック社の技術者H・フォード・ディッキーが発表したとされ、パレートの考え方を3段階のランク分けに落とし込んだ点に特徴があります。パレートの法則は「80対20の法則」とも呼ばれ、全体の成果の大部分は、構成要素の一部から生み出されるという経験則を指します。たとえば、売上の約8割が、全商品の約2割によって生み出される、といった傾向です。

この考え方をデータで可視化したものがパレート図です。各項目の値を大きい順に棒グラフで並べ、その累積比率を折れ線グラフで重ねます。累積比率の区切りをもとに、各項目をA・B・Cへランク分けします。

一般的なランク分けの目安は、累積比率の上位70〜80%までをAランク、次の15〜25%をBランク、残りの5〜10%をCランクとします。Aランクは少数ながら全体への影響が大きいため、手厚く管理します。Cランクは数が多くても影響が小さいため、管理の手間を抑える判断が成り立ちます。

業界での使われ方

飲食店では、メニューごとの売上や注文数をABC分析にかけ、看板商品の特定や品揃えの見直しに使います。注文の多いAランクは欠品を防ぎ、品質を安定させます。Cランクは原価や仕込みの手間と照らし、廃止や入れ替えを検討します。

在庫管理でも広く使われ、出荷頻度の高い食材を取り出しやすい場所に置くなど、保管や発注の効率化に役立てます。顧客管理では、購入金額の大きい顧客層を見極める用途にも応用されます。

計算式・分類

各項目の構成比は次の式で求めます。

  • 構成比(%)= 個別の値 ÷ 全体の合計 × 100

手順は、データ収集 → 値の大きい順に並べ替え → 累積比率の算出 → A・B・Cへの分類 → 改善施策の実行、という流れです。

業態別の差異

回転率の高い業態では、注文数を基準にしたABC分析が品切れ防止に直結します。一方、客単価の高い業態では、売上額や粗利を基準にすると、点数は少なくても利益貢献の大きい商品を見落としにくくなります。

よくある誤解

ABC分析は売上の大小だけを見る手法だと誤解されがちですが、基準は自由に選べます。売上ではなく粗利を基準にすると、結論が変わることがあります。また、Cランクをすべて廃止すべきとは限りません。来店動機になる商品や品揃えの幅を支える商品は、単純な数値では測れない価値を持ちます。

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参考・引用元

  • H. Ford Dickie「ABC Inventory Analysis Shoots for Dollars, Not Pennies」Factory Management and Maintenance, 1951(ABC分析の初出文献)
  • ビジネス+IT(SBクリエイティブ)「ABC分析とは何か、目的・やり方と手順、パレート図作成方法」
  • 船井総研ロジ「ABC分析とは」