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開業・第一歩

飲食店の物件選び全ステップ|居抜き・スケルトンの費用と契約の注意点

はじめに — 物件で、開業の半分は決まる

物件探しは、開業準備で最も心が躍り、最も失敗が怖い工程です。家賃は毎月重くのしかかり、立地は売上を直接左右します。私の周りでも、物件で妥協した店ほど苦戦しています。焦って決めると、後から取り返しがつきません。本記事では、立地の見方から契約の注意点まで、内見から賃貸借契約までの全ステップを具体的に解説します。

本記事は2026年6月時点の一般的な相場・慣行にもとづきます。保証金や原状回復の条件は物件ごとに大きく異なります。契約の前に、必ず契約書の全文と重要事項説明をご確認ください。

全体タイムライン — 物件は開業4〜5ヶ月前に確定

  • 開業6ヶ月前:エリアとコンセプト、想定家賃の上限を決める
  • 開業5ヶ月前:内見を重ね、候補を3件ほどに絞る
  • 開業4ヶ月前:申込→入居審査→契約。物件を確定する
  • 開業3ヶ月前:内装設計に着手する(物件確定が前提)
  • 開業2ヶ月前:内装工事と厨房機器の搬入に入る

物件が決まらないと、内装も融資の最終調整も進みません。逆に、急ぎすぎて妥協するのが最大の罠です。

居抜きとスケルトン、どちらを選ぶか

居抜き物件

前テナントの内装・厨房設備が残る物件です。内装費は坪あたり15〜30万円ほどに抑えられ、小規模店なら初期費用の総額を300万円程度から始められる場合もあります。ただし、残置物の状態や設備の寿命は要確認です。家主との「賃貸借契約」とは別に、前テナントとの「造作譲渡契約」を結ぶのが一般的です。

スケルトン物件

内装のない、コンクリートむき出しの物件です。自由に設計できますが、内装工事は坪あたり25〜100万円超と幅があり、デザイン・工事込みで1,000〜1,200万円かかることもあります。飲食店は給排水・排気・ガス容量の工事が重く、費用がふくらみやすい点に注意します。

立地タイプ別の考え方

立地は、客層と業態で「正解」が変わります。自分のコンセプトと噛み合うかを冷静に見ます。

  • 駅前・繁華街:通行量は多いが家賃も高い。回転重視の業態向き
  • オフィス街:平日ランチが強い。土日と夜の弱さを設計で補う
  • 住宅街:家賃は抑えめ。常連で支える業態やディナー向き
  • ロードサイド:駐車場が要。客単価と滞在時間を高める設計に

人通りが多い立地が、必ずしも自店に合うとは限りません。届けたい客層が歩く場所かを優先します。

立地調査 — 数字と足で確かめる

立地はエリアで坪単価が大きく異なります。ターゲット層が歩く動線か、視認性はあるか、競合と需要のバランスはどうか。私は候補地に曜日と時間を変えて3回は立ち、通行量を自分の目で数えました。家賃は月商の10%以下が理想です。逆算すると、家賃から目標月商の目安も見えてきます。

物件取得の流れと、契約前のチェック

  1. 内見:複数を比較し、設備の容量と状態を確認する
  2. 申込:申込書と事業計画書を提出する
  3. 入居審査:支払能力と事業計画の妥当性を貸主が審査する(数日〜)
  4. 重要事項説明:契約前に契約書を取り寄せ、全文に目を通す
  5. 賃貸借契約:居抜きは造作譲渡契約も同時に締結する

申込から契約まで、余裕をみて2週間ほど確保します。契約前には、次の点を必ず確認します。

  • 原状回復の範囲(スケルトン返しかどうか)
  • 用途・業態の制限、営業できる時間帯
  • 電気・ガス・給排水・排気ダクトの容量
  • 前テナントの退去理由(立地の弱点が隠れていることがある)

内見で必ず確認すること

内見は、図面では分からない点を確かめる場です。私は次を必ずチェックします。

  • 給排気と電気・ガスの容量(希望のメニューが作れるか)
  • 居抜きなら厨房設備の年式・動作・清掃の状態
  • 排水の位置と勾配(厨房レイアウトを縛る要素)
  • 看板の設置位置と、通りからの視認性
  • 上下階・近隣との関係(におい・音のトラブル要因)
  • 大型機器が通る搬入経路の幅

気になった点は、その場で写真とメモに残します。後で設計士に相談する材料になります。

概算費用表 — 物件取得の初期費用(20坪・家賃30万円の例)

保証金は賃料の6〜10ヶ月分が目安で、退去時に原状回復費を差し引いて返還されます。

よくある失敗と、その回避法

  • 家賃が高すぎる:月商10%超で利益が出ない。→ 家賃から逆算して上限を決める
  • 居抜き設備の過信:開業直後に故障する。→ 厨房設備の年式と状態を点検する
  • 原状回復の見落とし:退去時に高額請求。→ 契約書で範囲を明記する
  • 排気・電気容量の不足:希望のメニューが作れない。→ 契約前に設計士と確認する
  • 即決:競合に取られる焦りで妥協する。→ 上限と条件を事前に決めておく
  • 造作の確認不足:使えない設備を引き継ぐ。→ 譲渡リストと動作を一つずつ確認する

チェックリスト

エリアとターゲットの動線が一致している
家賃が想定月商の10%以下に収まる
通行量を曜日・時間帯を変えて確認した
居抜きは設備の年式・状態を点検した
電気・ガス・給排水・排気の容量を確認した
原状回復の範囲を契約書で確認した
居抜きは造作譲渡契約の内容を確認した
前テナントの退去理由を確認した
搬入経路の幅を採寸した

次の一歩

物件が決まれば、いよいよ厨房です。設備は物件の容量と内装設計に深く関わるため、買う順番を間違えると工事がやり直しになります。続編の「厨房機器の購入順序」で、失敗しない揃え方を解説します。

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  • 飲食店の資金調達(/start-funding)
  • 厨房機器の購入順序(/start-equipment-purchase)
  • 開業1ヶ月目の運営チェックリスト(/start-first-month)

📖 さらに深く知る(第3弾より)

参考・引用元


💡 開業後の運営を見据えて

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