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開業・第一歩

厨房機器の購入順序|購入・リース・中古の選び方と費用相場

はじめに — 「何から買うか」で工事も予算も変わる

厨房機器は、開業準備のなかでも判断に迷う買い物です。種類が多く、価格の幅も大きく、買う順番を間違えると工事がやり直しになります。私も最初の店で製氷機の容量を読み違え、夏場に氷が足りず慌てました。本記事では、何を・どの順で・どう買うか(購入・リース・中古)を、相場とともに具体的に整理します。

本記事は2026年6月時点の一般的な相場にもとづきます。機器の価格やリース料率は時期・機種で変動します。発注の前に、必ず複数社の見積もりをお取りください。

全体タイムライン — 内装設計と並行で進める

  • 開業4ヶ月前:メニューを確定し、必要な機器を洗い出す
  • 開業3ヶ月前:厨房レイアウトを設計士と確定する
  • 開業2.5ヶ月前:大型固定機器を選定・発注する
  • 開業2ヶ月前:調理機器・什器・備品を発注する
  • 開業1ヶ月前:搬入・設置・試運転を行う

機器選びは内装設計と切り離せません。電気・ガス・給排水・排気の容量は、機器が決まらないと設計できないからです。

メニューから逆算して機器を決める

機器選びの出発点は、設備ではなくメニューです。提供する料理が決まれば、必要な加熱・冷蔵・保管の機能が見えてきます。

  • 揚げ物が主力:フライヤーの口数とオイル容量を確保する
  • 作り置き中心:冷蔵・冷凍の容量を厚めにとる
  • ドリンク比率が高い:製氷機とグラス用冷蔵を増強する

「あれば便利」で買い足すと、厨房が狭くなり予算も膨らみます。メニューに直結する機器に絞るのが基本です。

買う順番 — 「動かせないもの」から決める

機器は、設備工事に関わる固定機器から決めるのが鉄則です。

ステップ1:厨房レイアウトの確定

メニューから必要な作業動線を描きます。ここが全ての起点になります。

ステップ2:大型固定機器

排気フード、ガスレンジ、製氷機、コールドテーブル(冷蔵作業台)、シンク、給湯器。これらは電気・ガス・給排水・排気の容量設計に直結します。最初に確定します。

ステップ3:調理機器

フライヤー、オーブン、冷凍冷蔵庫、炊飯器など。メニューに応じて選びます。

ステップ4:什器・小型機器・備品

作業台、棚、食器洗浄機、食器、調理器具。これらは最後にそろえます。

容量を見誤ると、後から電気やガスの引き直しが発生します。製氷機は、夏場のピークを基準に一回り大きめを選ぶと安心です。

購入・リース・中古、どれを選ぶか

新品購入

初期費用は高いですが、保証があり、所有権も自分に残ります。長く使う冷蔵・冷凍機器や製氷機は、新品が安心です。

リース

5〜6年契約が一般的で、手元資金を残せるのが利点です。たとえば製氷機なら月4千円前後(5年で約24万円)です。総額では割高になり、中途解約は原則できません。所有権はリース会社にあります。

中古

新品より安く、ものによっては無料で手に入ります。シンクや作業台、棚など壊れにくい物は中古が向きます。一方、冷蔵・製氷機など稼働部のある機器は、保証がなく部品も入手しにくいため、慎重に判断します。

中古でよい機器・新品にすべき機器

判断の軸は「稼働部があるか」です。

  • 中古が向く:シンク、作業台、棚、ガス台、食器
  • 新品が安心:冷蔵・冷凍庫、製氷機、食器洗浄機(衛生と故障のリスクが大きい)

中古を買うときは、保証の有無と、故障時の部品供給を必ず確認します。

概算費用表 — 主要厨房機器の目安(小規模店)

機械・什器・備品費は、開業費用全体の約20%が一つの目安です。小規模店なら200万円前後を見込みます。

搬入・設置で見落としがちな点

意外な落とし穴が搬入です。私は一度、大型冷蔵庫が階段を通らず、再手配になりました。

  • 扉幅・通路幅・階段・エレベーターの寸法
  • 設置後の放熱スペース(壁との隙間)
  • アンカー固定や排水接続の要否
  • 電源の電圧と容量(単相か三相か)

発注の前に、設置場所の寸法と搬入経路を採寸しておきます。図面だけで判断すると、現場で詰まります。

よくある失敗と、その回避法

  • 容量不足:製氷機や冷蔵庫がピークに足りない。→ 一回り大きめを選ぶ
  • 順番ミス:什器を先に買い、固定機器が入らない。→ 大型固定機器から決める
  • 中古の見極め違い:冷蔵・製氷機が早期故障。→ 稼働部のある機器は新品を軸に
  • リース総額の軽視:割高で資金を圧迫する。→ 長く使う機器は購入も比較する
  • 搬入できない:扉や階段を通らない。→ 寸法と搬入経路を事前に確認する
  • 電源容量の不足:三相電源が来ていない。→ 物件の電気容量を先に確認する

チェックリスト

メニューから必要機器を洗い出した
厨房レイアウトを設計士と確定した
大型固定機器を最初に選定した
電気・ガス・給排水・排気の容量を確認した
製氷機・冷蔵庫はピークを基準に容量を決めた
購入・リース・中古を機器ごとに比較した
複数社から相見積もりを取った
搬入経路の寸法を採寸した
電源の電圧・容量を確認した

次の一歩

機器の搬入が終われば、開業はもう目前です。最後の関門は、各種の届出と、走り出してからの数値管理です。続編の「開業1ヶ月目の運営チェックリスト」で、開業直後にやるべきことを整理します。

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参考・引用元


💡 開業後の運営を見据えて

Restaurant OS は本記事で扱った業務を統合的に支えます。詳細は [Restaurant OS 入門ガイド] をご覧ください。