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飲食店向け補助金・助成金 2026年版|持続化・業務改善・IT・ものづくりを使いこなす
店舗の改装やPOSレジの入れ替え、賃上げの原資づくり。やりたいことはあるのに、手元の資金を思うと一歩を踏み出せない。そんな悩みを抱える飲食店の経営者は少なくありません。実は、その投資の一部を国が負担してくれる制度がいくつもあります。問題は、制度が多すぎて「自分の店はどれを使えるのか」が分かりにくいことです。この記事では、2026年に飲食店が使える代表的な4つの補助金・助成金を、中小企業庁と厚生労働省の一次情報をもとに整理します。読み終えたとき、自店が最初に検討すべき制度がはっきり見える状態を目指します。
補助金と助成金は何が違うのか
採択審査の有無で性格が分かれます
補助金は経済産業省・中小企業庁が中心で、申請しても審査で落ちることがあります。事業計画の中身で採否が決まる仕組みです。一方、助成金は厚生労働省が中心で、要件を満たせば原則受給できます。雇用や賃金に関わる取り組みが対象になります。
飲食店の場合、設備投資や販路開拓には補助金、賃上げや雇用環境の改善には助成金、という整理がまず役立ちます。
原則「後払い」である点に注意します
どちらの制度も、原則は経費を先に支払い、後から入金される後払いです。採択や交付決定の前に発注・契約したものは対象外になる制度が多くあります。資金繰りの計画と、着手のタイミングには注意する手があります。
1. 小規模事業者持続化補助金
5人以下の店なら最有力候補です
常時雇用する従業員が5人以下(商業・サービス業の区分)の小規模事業者が対象です(中小企業庁、令和7年度補正)。多くの個人経営・小規模店がここに当てはまります。商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作る点が特徴です。
上限50万円・補助率2/3が基本です
通常枠の補助上限は50万円、補助率は2/3が基本です(中小企業庁、令和7年度補正予算 ※2026年時点の公式情報で要確認)。賃上げなどの特例を活用した場合、上限が最大250万円まで上乗せされ、補助率が3/4に上がる枠もあります。対象経費は広報費、ウェブサイト関連費、機械装置等費、展示会出展費など幅広く設定されています。
業態別の使いどころ
カフェなら看板リニューアルやテイクアウト用パッケージ制作、居酒屋なら新メニューの試作開発や予約サイト連携、ラーメン店なら券売機の更新といった販路開拓に向いています。「売上を増やすための前向きな投資」と相性が良い制度です。
2. 業務改善助成金
賃上げと設備投資をセットで支援します
事業場内最低賃金を引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資を行うと費用の一部が助成されます(厚生労働省)。賃上げを「コスト」で終わらせず、省力化投資の原資に変える発想の制度です。
最大600万円・賃上げ額で助成率が変わります
助成上限は引き上げる労働者数などに応じて最大600万円です(厚生労働省)。2026年度(令和8年度)はコースが50円・70円・90円に再編され、最低50円の賃上げが必須となりました。助成率は引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満で4/5、1,050円以上で3/4です(厚生労働省 ※最新で確認を)。受付開始は令和8年9月1日とされています。
申請は賃上げ「前」が鉄則です
この制度の最重要ルールは、賃金引上げを必ず申請より後に行う点です。賃上げ後の事後申請はできません。フレンチやイタリアンなど少人数で技術職を抱える店では、食洗機や真空調理器など労働時間を減らす設備と賃上げを組み合わせる手があります。問合せは厚労省コールセンター(0120-366-440)です。
3. デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
POSレジ・モバイルオーダーが対象です
2026年はIT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金2026」へと再編されました(中小企業庁、令和8年4月)。インボイス制度に対応した会計・受発注・決済機能を持つソフトとあわせ、POSレジ、モバイルPOS、券売機、タブレット端末などが補助対象になります。
小規模事業者は補助率4/5の区分があります
インボイス枠では、補助額のうち一定額までは小規模事業者で補助率4/5、それを超える部分は2/3が基本です(中小企業庁 ※2026年時点で要確認)。公募は通年で1〜2か月に一度のペースで締切が設定されます。人手不足が深刻な店ほど、セルフオーダーやセルフレジによる省人化と相性が良い制度です。
4. ものづくり補助金
大型の設備投資・新事業向けです
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、補助上限が枠により最大4,000万円と大型です(ものづくり補助金総合サイト)。補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3が基本です。セントラルキッチンの新設や、独自の冷凍技術を使った新商品開発など、規模の大きい挑戦に向きます。
計画づくりの負荷も大きい制度です
その分、事業計画の作り込みや採択審査のハードルは高めです。多店舗展開や製造業的な投資を考える段階で検討する手があります。なお今後、新事業進出補助金との統合も検討されています(最新で確認を)。
実践:飲食店向け補助金・助成金 早見表
下の一覧で、自店に合う制度の当たりをつけてみてください。金額・補助率は2026年時点の公式情報で、改正の可能性があるため申請前に各窓口で確認する手があります。
申請のおおまかな流れ
- 自店の課題を「販路開拓」「省人化」「賃上げ」のどれかに整理する
- 該当する制度の公募要領を公式サイトで確認する
- 商工会議所や認定支援機関に相談し、見積もりを集める
- 公募期間内に電子申請(GビズIDが必要な制度が多い)
- 採択・交付決定後に発注し、実績報告を経て入金
まとめ
5人以下の店はまず小規模事業者持続化補助金が入口になります。
賃上げと省力化を同時に進めるなら業務改善助成金が相性良好です。
金額・補助率は毎年見直されるため、必ず一次情報で最新を確認してください。
明日から動ける一歩として、まずは自店を管轄する商工会議所に電話し、「持続化補助金の相談がしたい」と伝えてみてください。GビズIDプライムの取得申請も、今のうちに進めておくと申請期に慌てずに済みます。
📖 さらに深く知る(第3弾より)
参考資料
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(通常枠)」 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r8/jizoku.pdf
- 厚生労働省「業務改善助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
- 中小企業庁「中小企業デジタル化・AI導入支援事業 デジタル化・AI導入補助金2026の概要」(令和8年4月) https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r8/digital_ai_summary.pdf
- IT導入補助金 事務局ポータルサイト https://it-shien.smrj.go.jp/
- ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/