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数値経営

食品ロスを30%減らす実践法|廃棄を減らし原価も下げる順番

仕入れた食材の一部を、使わぬまま捨てている。これはどの店にもあることで、その金額を正確に言える店長はほとんどいません。食品ロスは「モッタイナイ」として見過ごされがちですが、そのまま原価に乗って利益を削っています。しかもロス削減は、味を落とさずに原価を下げられる数少ない手段です。この記事では、食品ロスを30%減らすための手順を、計測からメニュー設計まで効果の大きい順に並べます。「なんとなくもったいない」を、数字で動かせる課題に変えます。

まず現状を知る

日本の食品ロスの規模

農水省・環境省の推計によると、令和5年度(2023年度)の日本の食品ロス量は464万トン、うち事業系は231万トンと推計されています(2025年6月27日公表)。外食産業は、調理ロスと食べ残しがロスの中心になります。業界全体で見ても、外食のロスは依然として大きい状況です。

自店のロスを記録する

他店の平均より、自店の実態が大事です。「仕込みロス」「調理ミス」「売れ残り」「食べ残し」の4分類で、捨てるたびに品名と量を控えるだけで、どこから手をつけるべきかが見えてきます。

仕入と発注を適正化する

出数予測を仕入量に反映させる

仕入れすぎはロスの最大要因です。曜日・天候・予約状況から出数を読み、仕入量を合わせます。「足りないより余るほうが安心」という感覚を、実績データで上書きしていきます。

発注頻度とロットを見直す

一度に大量仕入れすると単価は下がりますが、使い切れずに廃棄すれば逆に高くつきます。生鮮品は少量・高頻度で仕入れる、日持ちのする品はまとめて、と使い分けると、ロスと原価のバランスが取れます。

仕込みと保存で歩留まりを上げる

端材を使い切る動線をつくる

野菜の皮や肉魚の端材を、賄い・スープ・日替わりに回す動線を決めておきます。捨てていた部分が売上に変われば、ロス削減と原価改善が同時に進みます。

先入り先出しと保存を徹底する

古いものから使う先入り先出しを徹底するだけで、期限切れの廃棄は減ります。仕込みや冷凍で使える期間を伸ばし、ラベルに仕込日を明記する運用を揃えると、現場が迷わずに動けます。

メニューと提供でロスを抑える

共通食材でメニューを組む

1つの食材を複数メニューで使う設計にすると、在庫を使い切りやすくなります。単品でしか使わない食材が多いほど、出数が読めずロスが出やすくなります。

ポーション選択と持ち帰りを活かす

ご飯の量を選べるようにする、少盛メニューを用意するなど、食べ残しを減らす工夫があります。持ち帰りへの対応は、衛生面のルールを守った上で、可能なメニューに限って検討すると良いでしょう。

【テンプレート】ロス記録表とチェックリスト

■ ロス記録表(毎日・厳選で)
日付 / 品名 / 量 / 区分(仕込/調理/売れ残/食べ残)/ 推定金額
____ / ____ / ___ / ______ / ___円

■ 週次集計
区分別金額を合計し、一番多い区分を特定
→ 仕込ロスが多い → 仕入量と保存を見直す
→ 調理ミスが多い → 仕込みとオペレーションを見直す
→ 売れ残りが多い → 出数予測と発注を見直す
→ 食べ残しが多い → ポーションとメニューを見直す

■ 取り組みチェック
□ ロスを毎日記録している
□ 出数予測を仕入量に反映している
□ 先入り先出しを徹底している
□ 端材を賄い・日替わりに回している
□ 1食材を複数メニューで使っている

まず2週間だけ記録すれば、自店のロスの偏りが見え、狙いを絞って手を打てます。

まとめ

  • 食品ロスは原価に直結し、味を落とさず原価を下げられる改善余地です。
  • まず4区分で記録し、一番多いロスから手をつけるのが近道です。
  • 仕入・保存・メニュー設計の3方向で、予算をかけずに30%削減も狙えます。

明日から動ける一歩:ゴミ箱の横にメモを置き、捨てた食材を品名だけでも控えてみてください。何を一番捨てているかが見えると、最初に潰すべきロスがはっきりします。

📖 さらに深く知る(第3弾より)


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参考資料

※食品ロスの推計値は毎年更新されます。本記事は令和5年度推計値(2025年6月公表)に基づきます。最新値は農水省・環境省の公表で確認してください。