本文へ移動
記事を読み込み中…
数値経営

原価率を3%下げる現実的な方法|味を落とさず利益を残す手順

食材は値上がりするのに、メニュー価格はそう簡単に上げられない。多くの店長が抱えるこの板挟みは、原価率という1つの数字に集約されます。原価率を一気に10%下げるのは現実的ではありませんが、3%なら手順を踏めば多くの店で届く範囲です。しかも月商400万円の店なら、3%は年間で約144万円の差になります。この記事では、味とポーションを落とさずに原価率を3%削るための打ち手を、効果の大きい順に並べました。今日の仕入から試せるものばかりです。

原価率の基本をそろえる

計算式と「使った分」の考え方

原価率は次の式で出します。

原価率(%) = 売上原価 ÷ 売上高 × 100
売上原価 = 期首在庫 + 当月仕入 − 期末在庫

仕入額をそのまま原価にしてしまうと、在庫として残った分まで原価に乗り、実態より高く見えます。一般に飲食店の原価率の目安は30%前後とされますが、業態差が大きく、これ自体は公的基準ではありません。大事なのは他店比較より、自店の前月・前年との差を追うことです。

3%の重みを数字で実感する

月商400万円・原価率33%なら原価は132万円。これを30%にできれば120万円で、月12万円・年144万円が手元に残ります。値上げをせずにこれだけの利益を生むのは簡単ではありません。だからこそ原価率は、最初に手をつける価値があります。

打ち手1:メニューのABC分析

売れ筋と原価のかけ合わせで見る

まず全メニューを「出数」と「原価率」で並べます。出数が多く原価率も高い品は、わずかな改善でも効果が大きい最優先ゾーンです。ここのレシピを5〜10g単位で見直すだけで、全体原価がじわりと下がります。

死に筋は整理して仕入点数を絞る

出数が極端に少ない品は、専用食材のロスを生みがちです。思い切ってメニューから外すと、仕入点数が減り、在庫管理も歩留まりも改善します。品数を減らすことが原価改善になる、という視点は見落とされがちです。

打ち手2:歩留まりとロスを詰める

仕込みの歩留まりを測る

同じ食材でも、カットや下処理の精度で使える量は変わります。野菜の芯、魚のアラ、肉の端材をどこまで使い切れているかを一度測ると、捨てている原価が見えます。賄いや日替わりに回す仕組みをつくると、廃棄が売上に変わります。

過剰ポーションを標準化する

盛り付けが人によってばらつくと、原価は静かに膨らみます。主要食材だけでもグラム数を決め、計量スプーンやスケールで揃えるだけで、月単位では大きな差になります。味は変えず、ばらつきだけを消すのが狙いです。

打ち手3:仕入の見直し

相見積もりと規格の調整

同じ品質でも業者によって単価は違います。主要食材は年に1〜2回、複数業者から見積もりを取り直す習慣をつけます。さらに、カット済みを丸物に替える、規格を一段落とすなど、品質に響かない範囲で仕様を調整すると単価が下がります。

高騰品は代替とメニュー設計で受ける

特定食材が高騰したときは、無理に同じ原価で出し続けず、旬の代替食材に寄せる、看板商品以外は構成を変える、といった設計で受けます。仕入価格高騰への向き合い方は別記事で詳しく扱います。

【チェックリスト】原価3%改善の着手ポイント

上から順に、できているか確認してください。

□ 期末在庫を毎月数えて売上原価を正しく出している
□ 出数×原価率でメニューを4象限に分けている
□ 出数が多く原価率の高い上位5品のレシピを点検した
□ 主要食材のポーションをグラムで標準化した
□ 仕込みの歩留まりを1品でも実測した
□ 端材・アラを賄いや日替わりに回す導線がある
□ 主要食材を年1回は相見積もりしている
□ 廃棄記録をつけ、捨てた金額を把握している

8項目のうち、できていない箇所が原価改善の伸びしろです。1つずつ潰すだけで、3%は十分に狙えます。

まとめ

  • 原価率は売上原価÷売上で出し、自店の前月差を追うのが基本です。
  • ABC分析・歩留まり・仕入の3方向で、味を変えずに3%は削れます。
  • 月商400万円なら3%は年約144万円。値上げに頼らない利益源です。

明日から動ける一歩:まず売れ筋トップ5品の原価率を電卓で出してみてください。一番高い1品のポーションを見直すだけで、改善の手応えがつかめます。

📖 さらに深く知る(第3弾より)


関連記事

← 飲食店の数値経営マスターガイド|FL比率から損益分岐点まで利益が残る仕組み に戻る


💡 この作業を自動化したい方へ

Restaurant OS のレシピ管理プラグインは、本記事で紹介したメニュー別の原価計算を自動化できます。

詳細は Restaurant OS 入門ガイド をご覧ください。


参考資料