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法令

飲食店の開業前に取るべき許認可一覧|営業許可・食品衛生責任者・防火管理者・深夜酒類届出を業態別に整理

開業準備で一番つまずくのが許認可です

物件を決めて内装の打ち合わせが進むと、つい厨房やメニューに気持ちが向きます。ところが開業を止める一番の原因は、許認可の取り忘れと順番の間違いです。営業許可が下りなければ、どれだけ仕込みを整えても店は開けません。

この記事では、飲食店の開業に必要な許認可を一次情報で整理します。誰がいつどこへ何を出すのかを一覧表にまとめ、取得の順番もフローで示します。バー、カフェ、ラーメン店など業態ごとに必要な手続きが変わる点も具体的に触れます。

飲食店の許認可は「許可」「届出」「資格」の3種類

許認可と一口に言っても、性質は3つに分かれます。最初にこの区別を押さえると、全体像が一気に見えてきます。

営業許可は保健所が出す「許可」

保健所に申請し、施設検査を経て交付されるのが飲食店営業許可です。これがないと営業そのものができません。2021年(令和3年)6月1日施行の改正食品衛生法で、営業許可の業種は34から32に再編されました(厚生労働省「営業許可業種の見直し」)。飲食店営業は引き続き許可業種です。

食品衛生責任者と防火管理者は「資格」

講習を受けて取得する資格です。食品衛生責任者は食品衛生法第51条等により、飲食店は1店舗につき1名の設置が義務です(東京都保健医療局)。防火管理者は、収容人員30人以上の飲食店で選任が必要です(東京消防庁)。

深夜酒類提供や開業届は「届出」

許可ではなく、届け出れば足りる手続きです。深夜0時以降に酒類を主に提供する店の届出や、税務署への開業届がこれにあたります。

営業許可と食品衛生責任者の取り方

営業許可は施設検査が関門

申請先は店舗を管轄する保健所です。施設の図面を持って事前相談し、工事完了後に施設検査を受けます。シンクの数、手洗い設備、冷蔵庫の温度計など、自治体ごとに細かい基準があります。検査をクリアすると許可証が交付されます。

内装工事の前に保健所へ相談する手があります。基準を満たさない設計で工事を進めると、やり直しで数十万円の追加費用が出かねません。

食品衛生責任者は1日の講習で取れる

各都道府県の食品衛生協会が開く養成講習会を受講します。講習は食品衛生学・公衆衛生学・食品衛生法でおおむね6時間、1日で修了します(東京都保健医療局)。調理師、栄養士、製菓衛生師などの有資格者は講習が免除されます。複数店舗を持つ場合、各店に専任者が必要で兼任は認められません。

業態で変わる「追加の許認可」

飲食店営業許可だけで足りる店もあれば、追加の手続きが要る店もあります。自店がどれに当たるかを早めに確認しておきます。

バー・スナックは深夜酒類提供の届出

深夜0時から朝6時の間に、酒類を主に提供して営業する場合、「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」を管轄の警察署(公安委員会)へ提出します(警視庁)。営業所の平面図や求積図など書類が多く、準備に時間がかかります。提出を怠ると風営法違反となり、50万円以下の罰金の対象です。

なお、接待を伴う店(キャバクラ等)は届出ではなく風俗営業許可が必要で、手続きの性質が大きく変わります。

ラーメン店・パン併設カフェは製造業許可の有無を確認

店内で提供するだけなら飲食店営業許可で足ります。一方、テイクアウト用のパンや菓子を製造販売する場合は、菓子製造業許可が別途必要になることがあります。麺を製造して他店へ卸すなら麺類製造業が関わります。販売形態が広がるほど、許可の確認が増えます。

フレンチ・カフェで自家製ケーキを売るなら

コース後のお土産やショーケース販売など、客席提供を超える販売は製造業の領域に入る場合があります。判断に迷うときは保健所に販売形態を具体的に伝えて確認する手があります。

消防と税務の手続きも忘れずに

防火管理者と消防への届出

収容人員(客とスタッフの合計)が30人以上なら防火管理者の選任が必要です。延床面積300㎡以上は甲種(2日講習)、300㎡未満は乙種(1日講習)です(東京消防庁)。あわせて防火対象物使用開始届を、使用開始の7日前までに消防署へ出すのが一般的です(自治体により運用が異なるため要確認)。

税務署への開業届

個人事業として開業する場合、「個人事業の開業・廃業等届出書」を開業日から1か月以内に税務署へ提出します(国税庁 No.2090)。青色申告承認申請書を同時に出すと節税につながります。

実践:許認可一覧表と取得順フロー

誰が・いつ・どこへ・何を(一覧表)

取得順フロー

  1. 物件契約の前後に、保健所へ施設基準を事前相談する
  2. 食品衛生責任者の講習を受講・修了する
  3. 内装工事を基準に沿って進める
  4. 工事完了後、保健所の施設検査を受け営業許可を取得する
  5. 収容30人以上なら防火管理者を選任し、消防へ届け出る
  6. 深夜酒類提供・風俗営業・製造業など業態別の手続きを行う
  7. 開業後1か月以内に税務署へ開業届を出す

統計や制度の細部は自治体で運用差があります。数字や様式は最新の情報を管轄窓口で確認してください。

まとめ

飲食店の許認可は「許可・資格・届出」の3種類に整理すると迷いません。

業態によって深夜酒類提供や製造業許可など追加手続きが変わります。

明日からの一歩は、物件の管轄保健所と消防署に電話して事前相談の予約を取ることです。

📖 さらに深く知る(第3弾より)

参考資料


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