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飲食店で外国人スタッフを受け入れる手順|在留資格と手続きの基本
外国人採用は「在留資格の見分け」から。間違えると不法就労助長になります
人手不足が深刻になり、外国人スタッフの採用を考え始めた。でも在留資格や手続きが複雑で、何から手をつければいいか分からない。そんな不安を持つ店長は多いはずです。外国人雇用は、在留資格ごとに「働けるか」「何時間働けるか」が変わります。確認を怠ると、店側が不法就労助長罪に問われることもあります。この記事では、飲食店が外国人を受け入れる手順を、在留資格の見分け方から在留カードの確認、雇入れ後の届出まで順番に整理します。2026年の最新の受け入れ状況も踏まえて解説します。
まず押さえる:飲食店で働ける在留資格の4パターン
外国人を雇えるかどうかは、国籍ではなく在留資格で決まります。飲食店に関係する主なパターンは4つです。
① 身分・地位にもとづく在留資格(就労制限なし)
永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等が該当します。就労内容に制限がなく、日本人と同じように働けます。フルタイムもアルバイトも可能で、最も採用しやすい層です。
② 留学(資格外活動許可で週28時間まで)
留学生は、資格外活動許可を受けるとアルバイトができます。働けるのは週28時間以内で、複数の店を掛け持ちしても合算で28時間までです。長期休暇中は1日8時間・週40時間まで認められます。正社員としてのフルタイム雇用はできません。
③ 特定技能1号「外食業」(フルタイム可)
2019年に新設された在留資格で、外食業はその対象分野の一つです。飲食物の調理、接客、店舗管理まで幅広く任せられ、フルタイムの直接雇用が可能です。通算5年まで在留でき、専門の技能試験と日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上)の合格が要件です(技能実習2号を良好に修了した人は免除)。
④ 技術・人文知識・国際業務などは現場作業に原則不向き
いわゆる「技人国」は、通訳・翻訳や本社管理などの専門業務が対象で、ホールやキッチンの現場作業には原則該当しません。現場スタッフとして雇う目的では使えないため、注意が必要です。
【2026年の最新状況】特定技能「外食業」の受け入れに注意
受入れ上限に到達し、新規交付が停止中
特定技能「外食業」の1号は、受入れ見込数(上限5万人)に達したことから、2026年4月13日以降に受理する新規の在留資格認定証明書の交付が停止されています(出典:農林水産省、2026年3月27日公開)。新規の海外からの受け入れは当面難しく、すでに国内で資格を持つ人の採用や、他の在留資格での採用を検討する必要があります。受け入れの可否は変動するため、出入国在留管理庁や農林水産省の最新情報を必ず確認してください。
直接雇用が原則
特定技能「外食業」は、受け入れ機関による直接雇用が原則です。あわせて、風俗営業が行われる店舗での就労禁止や、協議会への加入などの条件が課されます。
採用前の在留カード確認の手順
表面と裏面を必ず確認する
採用前に、本人の在留カードの原本を確認します。表面で在留資格の種類と在留期限を、裏面で資格外活動許可の有無を確かめます。留学生をアルバイトで雇うときは、裏面に資格外活動許可の記載があるかが分かれ目です。
不法就労助長罪を避ける
就労できない人や、許可の範囲を超えて働かせると、店側が不法就労助長罪に問われることがあります。「知らなかった」では責任を免れない場合があるため、確認は口頭ではなく現物で行います。在留カードはコピーを取り、期限を管理します。
雇入れ後に必要な手続き
外国人雇用状況の届出(ハローワーク)
外国人を雇い入れたとき・離職したときは、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行う義務があります。これはすべての事業主が対象で、怠ると罰則の対象になります。雇用保険の手続きとあわせて、忘れずに行います。
留学生の労働時間を管理する
留学生は週28時間の上限を超えると、本人が資格の更新で不利になり、店側も責任を問われます。シフトを組むときは、他店との掛け持ち分も含めて28時間を超えないよう管理します。長期休暇の期間も、対象期間を正しく把握します。
面接・受け入れで配慮すること
出身・民族そのものは聞かない
在留資格は事実として確認しますが、出身地や民族を話題にするのは避けます。聞いてよいのは就労可否や資格の種類で、これは差別ではなく必要な事実確認です。線引きは面接で聞いてはいけない質問を参照してください。
やさしい日本語と初期教育で定着させる
受け入れ後は、やさしい日本語での説明や、写真・動画を使った手順書が効果的です。初日からの受け入れ設計は新人初日チェックリストが役立ちます。誰を採るかの整理は採用ペルソナの作り方も参考になります。
トラブルを防ぐ確認チェックリスト
採用前から雇入れ後まで、次の項目を確認してください。
- 在留カードの原本で在留資格・期限を確認したか
- 留学生は裏面の資格外活動許可を確認したか
- 任せる業務が、その在留資格で認められる範囲か
- 特定技能で雇う場合、最新の受け入れ可否を確認したか
- 雇入れ後、ハローワークへ外国人雇用状況の届出をしたか
- 留学生の労働時間を週28時間以内で管理しているか
- 在留期限の更新時期をカレンダーで管理しているか
まとめ
- 雇えるかは国籍ではなく在留資格で決まり、確認は在留カードの現物で行います。
- 特定技能「外食業」は2026年4月以降、新規交付が停止中。最新状況の確認が必須です。
- 雇入れ後はハローワークへの届出と、留学生の週28時間管理を忘れずに行います。
明日から動ける一歩:いま働いている、またはこれから面接する外国人スタッフの在留カードを確認し、在留資格・期限・資格外活動許可の3点をメモに控えてください。
📖 さらに深く知る(第3弾より)
参考資料
- 出入国在留管理庁「特定技能(外食業分野)」 https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/foodservice.html
- 農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/gaikokujinzai.html