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数値経営

キャッシュフローと黒字倒産の防ぎ方|手元の現金を守る考え方

決算では利益が出ているのに、通帳の残高は減っていく。この違和感の正体が、キャッシュフローです。帳簿上の黒字と、手元に現金があるかは別の話で、このズレを放置すると、利益が出ているのに資金が尽きる「黒字倒産」につながります。中小企業基盤整備機構は、黒字倒産を「帳簿上は利益が出ているのに、支払いに必要な資金が不足して倒産すること」と説明しています。この記事では、なぜそれが起きるのかを飲食店の例で説き、手元の現金を守る考え方をテンプレートとともにまとめます。

なぜ黒字でも現金が足りなくなるのか

入金と支出のタイミングがずれる

キャッシュレス決済の売上は、入金が翌月末などにずれます。一方で家賃・人件費・仕入の支払いは先に来ます。このズレが、黒字なのに手元が苦しい状態を生みます。J-Net21も、支払いと入金のタイミングのずれを黒字倒産の主要な原因に挙げています。

伸びている店ほど資金が出ていく

意外に思われるかもしれませんが、売上が伸びている店ほど資金ショートは起きやすいものです。来客増に伴う仕入増で現金支出が先に膨らみ、入金が追いつかないからです。成長期こそ、資金繰りの警戒が要ります。

キャッシュを可視化する

利益と現金を分けて考える

月次の PL だけを見ていると、現金の動きは見えません。利益には出てこない個人の生活費・借入返済・設備投資・税金の支払いが、現金を削ります。「利益が出た」と「現金が残った」は別として追うのが出発点です。

現金残高の推移を追う

月末の現金残高から前月末の現金残高を差し引くだけで、その月の現金が増えたか減ったかがわかります。このシンプルな推移を毎月追うだけでも、資金ショートの兆しに早く気づけます。

資金ショートを防ぐ打ち手

運転資金に余裕を持つ

日本政策金融公庫や銀行との関係を平時からつくり、運転資金に余裕を持ちます。一般に、月間固定費の数ヶ月分を手元資金の目安とする考え方があります。資金が十分にあるときにこそ、借入の準備をしておくのが定石です。

支払いと入金のサイクルを揃える

仕入の支払サイトを交渉し、キャッシュレスの入金サイクルとのズレを縮めると、資金繰りは楽になります。在庫を持ちすぎないことも、現金を寝かせないための大事な視点です。

【テンプレート】簡易資金繰り表

■ 月間資金繰り(翌月分を予測して埋める)
【期首現金残高】    ______円
【入金】
 現金売上      ______円
 キャッシュレス入金 ______円(何月分か明記)
 その他入金     ______円
【支出】
 仕入支払い     ______円
 人件費       ______円
 家賃・光熱費・その他 ______円
 借入返済・税金・生活費 ______円
【期末現金残高】    ______円
→ 期末がマイナス見込みなら、今のうちに手を打つ

2ヶ月先まで予測して埋めれば、資金が細るタイミングを事前に掴めるようになります。

まとめ

  • 黒字倒産は、帳簿上の利益と手元の現金のズレから起きます。
  • 入金と支出のタイミングを揃え、運転資金に余裕を持つのが防御策です。
  • 現金残高の推移と簡易資金繰り表で、ショートを事前に見つけましょう。

明日から動ける一歩:今月末と先月末の現金残高を並べて、差を出してみてください。利益と現金の動きの違いが見えると、資金繰りへの意識が変わります。


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参考資料