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法令

飲食店の営業許可取得手順|工事の前の事前相談から

「内装ができてから許可を取ろうと思っていた」。開業準備でよくある思い込みですが、これだと手戻りになりかねません。飲食店の営業許可は、工事の前の「事前相談」から始まります。

この記事では、保健所と厚生労働省の一次情報をもとに、許可取得までの流れ、必要書類、施設基準、2021年改正で変わった点までを、初めてでも遠回りしない順番で整理します。

営業許可は「工事の前」から始まる

順番を間違えると、作った設備を作り直すはめになります。出発点を押さえます。

まず保健所に事前相談

営業内容によって取得する許可や施設基準が異なるため、設計段階で所轄の保健所に相談することが推奨されています(出典:仙台市)。図面を持参して相談すれば、手洗いやシンクの位置などを工事前に調整できます。

内装が終わってからでは遅い

施設基準は細かく定められており、完成後に不適合が見つかると改修工事が必要になります。事前相談と設計段階のすり合わせが、結局は開業を早める近道になります。

取得までの6ステップ

手順は業態や自治体で多少異なりますが、大きな流れは共通です。

事前相談から営業開始まで

一般的な流れは、事前相談 → 営業許可申請 → 施設検査の打ち合わせ → 施設検査 → 許可証交付 → 営業開始です(出典:仙台市)。施設検査では保健所の職員が現地を見て、基準に適合しているかを確認します。

申請から交付まで2週間程度

申請受理から許可交付までには一定の日数がかかり、仙台市では「最低14日程度必要」とされています(出典:仙台市)。開業日から逆算して、余裕をもって申請すると安心です。

必要書類をそろえる

書類不足は手戻りの定番です。事前に揃えます。

共通して要るもの

一般的には、営業許可申請書、施設の図面、食品衛生責任者の資格を示すもの(調理師免許や養成講習修了証等)、申請手数料が必要です(出典:仙台市)。手数料は自治体で異なり、仙台市の例では飲食店営業の新規が19,000円、更新が17,000円とされています。

法人・井戸水・資格の追加書類

法人で申請する場合は登記事項証明書、井戸水・貯水を使う場合は水質検査成績書が必要になります。調理師等の資格を持たない場合は、食品衛生責任者養成講習会の受講が前提になります。

施設基準を満たす

施設基準は、公衆衛生上の危害を防ぐための最低条件です。

手洗い・シンク・冷蔵設備など

区画、構造、床・壁・天井、便所、手洗い設備、洗浄設備、保管設備など、条例で定められた基準を満たす必要があります(出典:仙台市)。2021年の改正で施設基準の考え方が全国で揃えられましたが、細部は都道府県・保健所の条例で確認します。

食品衛生責任者の設置

営業許可の前提として、施設ごとに食品衛生責任者を設置します。資格取得には時間がかかることもあるため、開業スケジュールに合わせて早めに動くと安心です。

2021年改正で変わったこと

許可制度は2021年6月の改正食品衛生法で見直されました。

喫茶店営業の統合

かつて別だった「喫茶店営業許可」が、飲食店営業許可に統合されました。コーヒーや軽食中心のカフェも、原則として飲食店営業許可で扱われます。

営業届出制度の新設

許可ほどのリスクがない一部の業種には、許可ではなく「営業届出」で足りる制度が新設されました。ただし飲食店営業は引き続き「許可」の対象です。さらにHACCPに沿った衛生管理が許可・届出の前提になっています。

有効期間と更新

営業許可には有効期間があり、一般的に5年〜8年です。期間は施設の状況に応じて保健所が設定します。期限切れ前に更新申請が必要で、失効させると無許可営業になるため、有効期間をカレンダーに登録しておく手があります。

業態別の注意

ケーキや焼き菓子を製造・販売するなら菓子製造業、精肉・鮮魚を小売りするならそれぞれの許可が別途必要になることがあります。酒類を提供する店で深夜に酒を主として出す場合は、別途「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が関わってきます(詳細は関連記事を参照)。

【実践】営業許可取得チェックリスト

下の順に動けば、手戻りを防げます。

設計段階で保健所に事前相談したか
施設基準(手洗い・シンク・冷蔵設備等)を図面に反映したか
食品衛生責任者を確保したか
必要書類(申請書・図面・資格証・法人は登記・井戸水は水質検査)を揃えたか
開業日から2週間以上の余裕をもって申請したか
施設検査の日程を保健所と調整したか
HACCPに沿った衛生管理の準備をしたか
許可の有効期間と更新時期を控えたか

まとめ

  • 営業許可は「工事の前の保健所への事前相談」から始まります。
  • 流れは事前相談→申請→施設検査→交付→営業開始で、交付までに数週間見ておくと安心です。
  • 2021年改正で喫茶店営業が統合され、HACCPに沿った衛生管理が許可の前提になりました。

明日から動ける一歩:開業予定地を管轄する保健所を調べ、事前相談の窓口と持参物(図面など)を確認してください。ここが最初の一歩になります。


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参考資料