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損益分岐点の出し方|飲食店が赤字を抜ける売上ラインの計算(テンプレ付)
「今月、いくら売れば赤字にならないのか」。この問いに即答できる店長は、意外と多くありません。感覚で「だいたい300万くらい」と言えても、その根拠を数字で説明できる人は限られます。その根拠こそが損益分岐点です。毎月の必要売上ラインが分かれば、平日の落ち込みに焦らず、どこで巻き返すかを冷静に判断できます。この記事では、固定費と変動費から損益分岐点を出す手順を計算例つきで示し、何席・何回転で届くかまで落とし込みます。テンプレートをそのまま使えば、自店のラインが今日中に出せます。
損益分岐点とは
利益がゼロになる売上高
損益分岐点とは、売上と費用がちょうど等しくなり、利益がゼロになる売上高のことです。この線を超えれば黒字、下回れば赤字になります。つまり「最低限ここまでは売る」という防衛ラインを数字で示すものです。
固定費と変動費を分ける
計算の前に、費用を2つに分けます。固定費は売上に関係なく毎月かかる費用で、家賃・正社員給与・リース料・基本料金などが該当します。変動費は売上に比例して動く費用で、食材原価やアルバイト人件費の一部が中心です。この切り分けが損益分岐点計算の土台になります。
計算式と限界利益率
基本の式
損益分岐点売上高は次の式で求めます。
限界利益率 = 1 −(変動費 ÷ 売上高)
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率限界利益率は、売上1円のうち固定費の回収に回せる割合です。変動費率が低いほど限界利益率は高くなり、損益分岐点は下がります。
計算例(月商400万円の店)
次の条件で計算してみます。
- 固定費:150万円(家賃・正社員給与・リース等)
- 変動費:180万円(原価+変動人件費、変動費率45%)
限界利益率は 1 − 0.45 = 0.55。損益分岐点売上高は 150 ÷ 0.55 ≒ 273万円です。つまり月273万円を超えれば黒字に入ります。月商400万円なら、127万円分の余裕がある計算になります。
売上ラインを「席数×回転」に翻訳する
必要客数に置き換える
273万円を客単価で割ると、必要な月間客数が出ます。客単価3,000円なら 273万 ÷ 3,000 = 910人。営業25日なら1日約36人です。これを席数と回転で考えると、20席なら1.8回転で届く、と現場の感覚に翻訳できます。
平日と週末で配分する
月の必要客数を均等割りするのではなく、平日と週末の実力に合わせて配分すると、現実的な目標になります。週末で稼ぐ店なら、平日のラインは低めに設定し、週末で取り返す形が無理のない組み立てです。
損益分岐点を下げる打ち手
固定費を軽くする
損益分岐点を下げる最も効く方法は、固定費の圧縮です。家賃の再交渉、不要なサブスクやリースの整理、固定的な人員配置の見直しが候補になります。固定費が下がれば、必要売上ラインはそのまま下がります。
限界利益率を上げる
もう一つは、変動費率を下げて限界利益率を上げる方向です。原価改善や高粗利メニューの強化がここに当たります。同じ売上でも、限界利益率が数ポイント上がれば損益分岐点は目に見えて下がります。
【テンプレート】損益分岐点計算シート
■ 入力
固定費(家賃+正社員給与+リース+基本料):______円
変動費(食材原価+変動人件費):______円
売上高:______円
客単価:______円
営業日数:____日
■ 計算
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 = ____%
限界利益率 = 1 − 変動費率 = ____%
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率 = ______円
必要月間客数 = 損益分岐点売上 ÷ 客単価 = ____人
1日あたり必要客数 = 必要客数 ÷ 営業日数 = ____人この一連を毎月同じ条件で更新すれば、固定費や原価が動いたときに必要ラインがどう変わるかを追えます。
まとめ
- 損益分岐点は固定費÷限界利益率で出る、赤字を抜ける売上ラインです。
- 売上ラインは客単価と席数で割り、1日の必要客数まで翻訳できます。
- ラインを下げるには固定費の圧縮と限界利益率の改善が二本柱です。
明日から動ける一歩:直近1か月の固定費と変動費をざっくり分けて、上のシートに入れてみてください。自店が1日何人で黒字に入るかが分かると、日々の目標が具体的になります。
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参考資料
- J-Net21(中小企業基盤整備機構)「黒字倒産とはどのようなものでしょうか?」 https://j-net21.smrj.go.jp/qa/financial/Q1045.html