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法令

著作権(BGM・店内放送)の正しい取扱

お店の音楽、その流し方で大丈夫ですか

気に入ったCDやサブスクの曲を、何気なく店内に流していませんか。私的に楽しむ音楽と、店舗で客に聞かせる音楽は、著作権法上まったく別物として扱われます。お店で音楽を流す行為は「演奏権」に関わり、原則として権利者への手続きが必要です。とはいえ仕組みを正しく知れば、年額数千円から合法的にBGMを楽しめます。この記事では、JASRACの料金体系、市販音源との違い、業務用サービスの位置づけを整理し、自店にどの契約が必要かを判断できる形でお伝えします。

なぜ店のBGMに著作権手続きが必要なのか

演奏権という考え方

著作権法では、音楽を公衆に聞かせる目的で再生する行為を「演奏」と位置づけます。家庭で個人的に聞くぶんには自由ですが、店舗で不特定の客に向けて流すと、この演奏権が働きます。CDを買ったりサブスクに加入したりしても、それは私的に聞く対価であって、店舗で公に流す許諾までは含みません。ここを混同しやすいので注意が必要です。

2002年から管理対象になった経緯

かつてはBGM利用に手続きが不要な時期がありました。これは旧著作権法の附則14条が、録音物の再生をダンスホールなど一部施設に限って規制していたためです。この附則14条は1999年の法改正で廃止され(2000年施行)、国際的な批判も背景に、2002年4月から飲食店を含む店舗BGMが管理の対象となりました。法改正の経緯は文化庁の公開資料で確認できます。つまり現在は、CDやラジオであっても店で流すなら手続きが前提です。

JASRACの店舗BGM料金を押さえる

面積を基準にした料金体系

JASRACが管理する楽曲を店舗BGMとして使う場合、料金は店舗面積を基準に決まります。公式の料金区分では、面積500平方メートル以下の施設で年額6,000円(税別)、月単位なら1ヵ月あたり1,200円(税別)です(JASRAC「各種施設でのBGM」公式案内、最新額は公式で確認を)。年額契約にすると月あたり実質500円ほどになり、管理楽曲を曲数無制限で使えます。

申し込みの流れ

BGMのみの利用はオンライン申請に対応しています。JASRACのBGM利用申請フォームに、店舗名・所在地・面積・事業者情報を入力し、許諾申込書を提出する流れです。申請から許諾まではおおむね2週間程度をみておくと安心です。

NexToneという別の管理事業者

国内の音楽著作権管理はJASRACだけではありません。NexToneも管理事業者として一定の楽曲を扱います。流したい曲がどちらの管理かで窓口が変わる場合があるため、特定アーティスト中心の選曲をするなら、管理元の確認をおすすめします。

市販CD・サブスクと業務用サービスの違い

個人向け配信を店で流すリスク

一般のサブスクや個人向け音楽配信は、利用規約で商用利用を禁じているケースがほとんどです。著作権(演奏権)の手続きとは別に、規約違反という問題も生じます。スマホに落とした曲を店で流すと、演奏権に加えて複製に関わる権利(著作隣接権)の扱いも論点になり、手続きが複雑になります。

業務用BGMサービスなら著作権処理済み

USENなどの業務用BGMサービスを使う最大の利点は、著作権処理が料金に含まれている点です。サービス事業者がまとめて権利処理をしているため、店側がJASRACへ個別に申請・支払いをする必要がありません(各サービスの許諾範囲は契約時に確認を)。手続きの手間を避けたい店には現実的な選択肢です。

業態によって変わる判断ポイント

カフェ・一般飲食店

CDやラジオを流す程度なら、JASRACの面積基準のBGM契約か、業務用BGMサービスの二択が基本です。手間を取るか、月額コストを取るかで選びます。

バー・ライブ併設店

生演奏やDJ、客が歌うカラオケが加わると、BGMとは別の契約区分になります。JASRACでは生演奏・録音物再生・カラオケ伴奏で契約内容が分かれます。ライブを定期開催する店は、演奏分の手続きを別途確認する必要があります。

自店に必要な契約の判断フロー

以下の順で確認すると、必要な手続きが整理できます。

  1. 音楽を流すか いいえ → 手続き不要。はい → 次へ
  2. 業務用BGMサービス(USEN等)を使うか はい → 著作権処理込み、店側の個別申請は原則不要(許諾範囲は要確認)。いいえ → 次へ
  3. 市販CD・ラジオ・テレビを流すか はい → JASRAC(必要に応じNexTone)へBGM契約。面積500㎡以下なら年6,000円・税別が目安
  4. 生演奏・DJ・カラオケがあるか はい → BGMとは別区分の契約を追加で確認
  5. 個人向けサブスクをそのまま使っていないか 使っている → 規約違反の恐れ。業務用へ切り替えを検討

この5項目を一度棚卸しすれば、抜け漏れを防げます。新規開業時のチェックリストに組み込んでおく手があります。

まとめ

店のBGMは私的利用とは別で、流すなら原則手続きが必要です。

JASRACなら面積500㎡以下で年6,000円(税別)、手間を省くなら業務用BGMサービスが現実的です。

生演奏・カラオケがある店は別区分の契約を追加で確認しましょう。

📖 さらに深く知る(第3弾より)

参考資料


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