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アレルギー表示29品目の最新ルール|飲食店の義務と対応の線引き
「うちのメニューにアレルギー表示は必要なのか」。お客から「これ、卵は入っていますか」と聞かれて詰まった経験のある店長は多いはずです。結論から言うと、飲食店のメニュー表示は法上の義務ではありません。
ただし、「義務ではない」と「やらなくてよい」は別です。この記事では、消費者庁の一次情報をもとに、表示義務の線引きと、最新の29品目(カシューナッツの義務化を含む)、そして事故を防ぐための聞き取り手順までを整理します。
アレルギー表示、まず押さえる大前提
規制の範囲を誤解すると、過剰対応も未対応も起きます。まずは「どこまでが法律の話か」を押さえます。
外食のメニュー表示は「義務ではない」
食品表示法がアレルギー表示を義務づけているのは、あらかじめ容器包装に入れられた加工食品です(出典:消費者庁)。その場で調理して提供する外食や、容器包装せずに店頭で売る患菜などは、表示義務の対象外とされています。その場調理では厳密な原材料検査が難しいためです。
でも「やらなくていい」ではない
消費者庁は、義務対象外の外食・中食でも、アレルギーに関する情報提供を推奨しています。重篤なアレルギーは生命に関わります。表示がないことで事故が起きれば、法的責任だけでなく店の信用も失われます。「義務かどうか」より「事故を防げるか」で考える手があります。
28品目の全体像(義務と推奨)
表示対象のアレルゲンは、義務の「特定原材料」と、推奨の「特定原材料に準ずるもの」の合計で現在29品目です。メニュー設計や仕入れの判断のために、全体を把握しておくと安心です。
表示が義務の特定原材料
令和8年(2026年)4月時点での義務品目は次の通りです(出典:消費者庁)。
- えび、かに、くるみ、カシューナッツ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
これらは加工食品では必ず表示されます。仕入れる加工食品(タレ、ドレッシング、加工肉など)の表示を見れば、原材料に何が含まれるかが読み取れます。
表示が推奨される「準ずるもの」
法的義務はないものの、表示が望ましいとされる20品目です(出典:消費者庁)。
- アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、ピスタチオ
コース料理や人気メニューにこれらが含まれるなら、推奨品目でも伝える価値は高いです。
2024〜2026年の改正点
品目は固定ではなく、定期的に見直されます。2023年に「くるみ」が義務品目に追加され、経過措置を経て2025年4月に完全施行されました。2024年3月には推奨品目で「マカダミアナッツ追加・まつたけ削除」が行われました。さらに2026年4月には「カシューナッツ」が推奨から義務の特定原材料へ格上げされ、同時に「ピスタチオ」が推奨品目に追加されました。これにより義務9品目・推奨20品目の計29品目となりました(出典:消費者庁)。経過措置期間が設けられることが多いため、最新の運用は消費者庁で確認してください。
「入っていません」と言えますか
アレルギー対応で最も危険なのは、根拠なく「入っていません」と答えることです。
微量混入(コンタミ)の問題
同じフライヤー、同じまな板、同じ揚げ油を使えば、意図しない微量混入(コンタミネーション)が起きます。重篤なアレルギーの人には、この微量でも反応が出ることがあります。
事実をそのまま伝える
厳密な除去が難しいなら、「同じ調理器具を使うため、微量の混入の可能性があります」と事実を伝えるのが誠実です。提供の可否を決めるのはお客本人です。店側ができるのは、正確な情報を渡すことです。
事故を防ぐ聞き取りと提供フロー
アレルギー対応は「誰か一人の頭の中」に置かず、手順として共有します。オーダーを受けた人と調理する人が違う場面で、伝達ミスが事故につながります。注文時にアレルギーの有無を確認し、原材料を調べて事実を伝え、厳重な場合は調理場とホールで「アレルギー対応中」と明示して受け渡しまで追う、という流れを決めておきます。
業態で変わる注意点
主力メニューによって、警戒すべきアレルゲンは変わります。
業態別の見るポイント
- 居酒屋:揚げ物の衣(小麦)、共用の揚げ油、生ものの甲殻類
- カフェ:焼き菓子・デザートの卵・乳・小麦・ナッツ類
- ラーメン:麺の小麦、スープの乳・さば・たまご
- フレンチ・洋菓子:バター・生クリームの乳、ナッツ類、ゼラチン
【実践】アレルギー対応チェックリスト
まずは下の項目を自店で確認してください。
コピーして使える聞き取りトークスクリプト
スタッフ:「食物アレルギーはございますか?」
→ ありの場合:「どの食品で、どの程度の症状が出ますか?」
→ 対象メニューの原材料を確認してから:
・含む場合「この料理には__が含まれます」
・含まないが混入の可能性「同じ調理器具を使うため、微量混入の可能性があります」
・不明な場合「確認が取れないため、ご提供を控えさせていただきます」
→ 厳重対応時:伝票・コミュニケーションボードに「アレルギー対応:__除去」と明記まとめ
- 外食のメニュー表示は法上の義務ではなく、義務は容器包装された加工食品が対象です。
- ただし消費者庁は情報提供を推奨しており、義務9品目・推奨20品目の計「29品目」が目安です。
- 事故を防ぐ鍵は「入っていません」の乱用を避け、コンタミの可能性を含めて事実を伝えることです。
明日から動ける一歩:人気メニュー上位5品だけでも、含まれる義務品目を書き出してみてください。スタッフが即答できるメニューが増えれば、それだけで事故のリスクは下がります。
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参考資料
- 消費者庁「アレルギー表示について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 消費者庁「外食・中食におけるアレルゲン情報の提供」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/efforts
- 国民生活センター「外食のメニューには食物アレルギー表示義務はないのか」 https://www.faq.kokusen.go.jp/faq/show/1354
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