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客の写真を SNS に載せていい?
「来店してくれたお客様の楽しそうな笑顔を、お店のSNSで紹介したい」。そんな気持ちは、お店づくりへの愛情のあらわれですよね。けれど、写っているのは大切なお客様ご本人です。無断で載せてしまうと、思わぬトラブルにつながることもあります。ここでは、お客様の写真をSNSに載せてよいのか、どう同意を取れば安心なのかを、判例も交えてやさしく整理します。
質問(Q)の整理
ご質問は、次のように整理できます。
- お客様の写真を、無断でSNSに載せてよいのか。
- どんな場合に法的な問題になるのか。
- 安全に載せるには、どう同意を取ればいいのか。
順番に見ていきましょう。
結論(A)
結論です。お客様の顔がはっきり写った写真を、無断でSNSに載せるのは避けてください。本人を特定できる写真は、本人の同意を得てから掲載するのが原則です。
同意は口頭でも成立しますが、後のトラブルを防ぐには書面が安心です。掲載の目的や範囲を明記しておきましょう。なお、後ろ姿や遠景など本人を特定できない写真なら、肖像権の問題は生じにくいとされています。
法的根拠
まず、肖像権です。これは、本人の承諾なくその容ぼうを撮影・公表されない権利です。明文の規定はありませんが、判例上、人格権の一つとして認められています。
最高裁のピンク・レディー事件(平成24年2月2日判決)は、人の氏名・肖像は人格の象徴であり、みだりに利用されない権利を有すると判示しました。さらに、もっぱら肖像の顧客吸引力の利用を目的とする場合には、パブリシティ権の侵害になるとしています。お店の宣伝にお客様の写真を使う場面では、この点も意識が必要です。
個人情報保護法との関係では、本人を判別できる写真は個人情報にあたります。ただし個人情報保護委員会は、展示等が直ちに同法違反になるわけではないとしつつ、不特定多数への提供では自主的に本人同意を得るのが望ましいとしています。
具体的な対応ステップ
安心して運用するための手順です。
- 撮影の前に、SNS掲載の可能性を一言お伝えします。
- 顔が写る場合は、掲載の目的と範囲を示して同意をいただきます。
- 可能なら、簡単な同意書やチェック欄で記録を残します。
- 迷うときは、顔をぼかすか、後ろ姿など特定できない構図にします。
- 後日「削除してほしい」と言われたら、速やかに対応します。
ケース別の判断
- 顔がはっきり写り、本人を特定できる→要同意。書面が安心です。
- 後ろ姿・遠景・シルエットで特定不能→肖像権の問題は生じにくいです。
- 大人数のイベントで偶然写り込んだ→特定性や写り方しだいで判断が分かれます。配慮が必要です。
- 著名人の集客目的での利用→パブリシティ権に注意が必要です。
専門家に相談すべき境界線
同意の有無が争われている場合や、掲載後に削除や慰謝料を求められた場合は、対応に専門的な判断が要ります。同意書のひな型を整える際も同様です。こうした場面では、最終的には弁護士にご相談いただくのが安心です。
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参考・引用元
- ピンク・レディー事件 最高裁平成24年2月2日判決(骨董通り法律事務所) https://www.kottolaw.com/column/000371.html
- パブリシティ権について(ip-bengoshi.com) https://www.ip-bengoshi.com/archives/2161
- 個人情報保護委員会 FAQ(写真の展示と同意) https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q7-11/
- SNSでの肖像権侵害の判断基準(マーケトランク) https://www.profuture.co.jp/mk/column/about-portrait-rights
- 個人情報保護法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057