本文へ移動
記事を読み込み中…
法令

客が支払わずに帰った時の対応は?

会計を待っていたはずのお客様が、いつの間にか姿を消している。あるいは「お金がない」と言われて、どうしていいか分からなくなる。無銭飲食(食い逃げ)は、飲食店なら一度は直面しうる困りごとです。その場で感情的になってしまいそうですが、まずは落ち着くことが大切です。ここでは、どんな場合に犯罪になるのか、警察を呼ぶべきか、代金はどう回収するのかを、順を追って整理します。

質問(Q)の整理

ご質問は、次のように分けられます。

  • 支払わずに帰る行為は、何の罪になるのか。
  • 警察を呼んでよいのか、どう動けばいいのか。
  • 払ってもらえなかった代金は、どう請求するのか。

順に見ていきましょう。

結論(A)

結論です。最初から払う気がないのに飲食した場合などは、詐欺罪が成立しえます(刑法246条)。一方、注文時には払う意思があり、後で財布を忘れたと気づいたような場合は、詐欺罪の要件を欠くことがあります。

刑事責任とは別に、代金の支払い義務そのものは残ります。民事上の請求は可能です。まずは事実を確認し、悪質なら警察に相談する、という順序で考えると整理しやすいです。

法的根拠

詐欺罪は刑法246条に定められています。1項は、人を欺いて財物を交付させた者を10年以下の拘禁刑とします。2項は、欺いて財産上の利益を得た場合も同様とします。

あてはめは、払う意思がなかった時点で変わります。最初から踏み倒すつもりで注文すれば、提供を受けた時点で1項詐欺が成立しえます。「財布を取ってくる」と嘘をついて逃げれば、支払いの猶予という利益を得たとして2項詐欺が問題になります。

なお、食べ終えた後にこっそり逃げただけの場合は、利益窃盗にあたるとされ、現行の刑法に処罰規定がない点が議論されています。代金未払いは、民事上は支払い義務として残ります。

具体的な対応ステップ

落ち着いて進めるための手順です。

  1. まず本人がいる場合は、支払いの意思と事情を確認します。
  2. 払えない事情があるなら、連絡先と身分を控え、後日支払いの約束を取り付けます。
  3. 逃走するなど悪質な場合は、無理に追わず、防犯カメラ等の証拠を確保します。
  4. 詐欺の疑いが強ければ、警察に通報・相談します。
  5. 連絡先が分かるのに支払いがない場合は、書面で請求します。

ケース別の判断

  • 最初から踏み倒す意図→1項詐欺が問題になります。
  • 「財布を取りに戻る」と偽り逃走→2項詐欺が問題になります。
  • 注文後に所持金不足に気づいた→詐欺は成立しにくいです。連絡先を控え民事で対応します。
  • その場で逃走→追跡は危険を伴います。安全を優先し証拠保全と通報を。

専門家に相談すべき境界線

詐欺罪にあたるかの判断は、払う意思がいつあったかなど微妙な事実に左右されます。常習的な被害や、高額・多数の未収金がある場合の回収も簡単ではありません。こうした場面では、最終的には警察や弁護士にご相談いただくのが安心です。


📚 関連する実用ガイド

📖 関連する読み物

参考・引用元