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法令

バイトの不適切投稿への対処は?

アルバイトさんがふざけて撮った動画が、SNSで一気に拡散してしまう。いわゆる「バイトテロ」は、どんなお店でも他人事ではありません。長年かけて築いた信用が、たった一本の動画で揺らいでしまう。経営者として、不安や怒りを感じるのは当然のことです。ここでは、起きてしまったときの対処と、損害賠償や懲戒の考え方、そして予防策を、落ち着いて整理してお伝えします。

質問(Q)の整理

ご質問は、次のように分けられます。

  • 不適切投稿をした従業員に、損害賠償を求められるのか。
  • 解雇など、どこまで処分できるのか。
  • 再発を防ぐには、どんな備えが要るのか。

順に見ていきましょう。

結論(A)

結論です。故意や過失でお店に損害を与えた従業員には、損害賠償を求めうる余地があります。根拠は民法709条の不法行為責任です。

また、就業規則に懲戒の定めがあれば、行為の悪質さに応じて懲戒処分も可能です。過去には懲戒解雇に至った例もあります。ただし、賠償額や処分の重さは、被害との因果関係や会社側の事情も踏まえて慎重に判断されます。実際に全額が認められるとは限りません。

法的根拠

まず、損害賠償です。故意または過失によって他人の権利を侵害した者は、生じた損害を賠償する責任を負います(民法709条)。投稿による信用低下や、清掃・廃棄・対応にかかった費用が、損害として問題になります。

ただし、株価下落や売上減との因果関係の立証は容易ではありません。裁判所は一切の事情を踏まえて賠償額を定めます。実際、過去の大型事案でも、請求が取り下げられた例があります。

懲戒については、労働契約法15条が、客観的に合理的で社会通念上相当でない懲戒は無効とすると定めています。就業規則の根拠と、処分の相当性が問われます。

具体的な対応ステップ

起きてしまったときの進め方です。

  1. まず投稿の事実を保存します。スクリーンショットやURLを記録します。
  2. 本人から事情を聴き取り、経緯を確認します。
  3. 必要に応じて、店舗としてのお詫びや説明を検討します。
  4. 就業規則に照らし、懲戒処分の要否と程度を判断します。
  5. 損害の内容を整理し、賠償請求の可否を検討します。
  6. 悪質な場合は、刑事面(威力業務妨害等)も視野に相談します。

ケース別の判断

  • 軽い悪ふざけで実害が小さい→注意・指導が中心になりやすいです。
  • 食材の不衛生な扱いを投稿し拡散→懲戒解雇や賠償請求が検討されます。実例があります。
  • 未成年が関与→保護者や家庭裁判所が関わる場合があります。
  • 身元保証書がある→賠償の極度額(上限)の定めが必要です。2020年改正民法465条の2により、極度額の定めのない個人の根保証契約は無効です。

専門家に相談すべき境界線

懲戒処分の有効性や、賠償請求の現実的な見込みは、事案ごとに判断が分かれます。就業規則の整備や身元保証書の見直しも専門知識が要ります。こうした場面では、最終的には弁護士や社労士にご相談いただくのが安心です。


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参考・引用元